プロセスをデザインするということ

先日、知り合いの経営者の方と話をしていて、

「部下が動かないとか、仕事が回らないとか、経営者にはいろいろ悩みがあるけど、
『うちは「プロセス」で困ってるんです』って経営者はいないよね」

というお話をききました。

確かにその通りだと思います。そして、ここにこそ問題とチャンスがあります。

「プロセス」という言葉は使い古されていて、日常でもよく使います。「なにごともプロセスが大事だ」とか「結果よりもプロセスを大切にしろ」などと言われます。しかし、「そもそもプロセスとは何なのか」ということについては、普段あまり考えませんね。

プロセスという言葉は、日本語では「過程」だとか「工程」と訳されます。私のいうプロセスとは、もう少し明確な意味で使っています。それは、

資源を加工して付加価値を生む一連の取り組み

という意味です。

つまり、なんらかのリソース(資源)をインプットとして、そこに付加価値を足してアウトプットとして出力する活動を指します。

料理を例に考えてみましょう。

美味しい料理をつくるためには、野菜やお肉などの材料、塩・コショウ、醤油などの調味料を用意します。そして、これらの材料を切ったり、煮たり、焼いたりして加工します。加工するには技術が必要です。しかし、材料を集めて、加工する技術を持っていても、これだけでは美味しい料理を作ることはできません。なにかが必要です。

そうです。レシピです。

レシピには、素材の良さを生かし、美味しさを最大限に引き出す手順が書かれています。同じ材料でも、何をつくるのかによって、切り方も、火の入れ方も、調味料を加えるタイミングも異なります。いくら高級な食材を集めてきても、いくら材料を加工する技術に長けていたとしても、その料理にあった加工方法を選び、手順を知らなけば、美味しい料理をつくることはできません。料理人が人にレシピを教えないのは、レシピこそが「ほかの料理人との差別化要因」であるからです。
美味しい料理をつくるには、レシピを研究しなければなりません。いくら材料をうまく切ったり、焼いたりする固有技術に優れていても、レシピがまずければ、美味しい料理をつくることはできないのです。

経営や仕事において、このレシピにあたるものがプロセスです。プロセスは価値を生み出します。そして、プロセスが生み出した価値の総和が、成果(売上・収益・成長)となります。

企業はプロセスの集まりです。開発、営業、経理、マーケティングなど、個々の技術(テクニック)を集めたり、磨くだけでは、成果(売上・収益・成長)を生み出すことはできません。それぞれの知識や技術など、あらゆる経営資源を効率よく活用する「プロセスをデザイン(設計)」することが成果につながります。

プロセスはデザイン(設計)しなければなりません。成果は設計に左右されます。設計された以上の成果を上げることはできません。事前に何も考えないで、行き当たりばったりで料理をしても、美味しい料理をつくることができないのと同じです。おいしい料理をつくる料理人は、おいしい料理をつくることができるレシピを持っているように、どんな仕事でも、成果を生み出している企業、人は、「成果を生み出すプロセス」を持っているのです。

しかし、いざビジネス、仕事となると、「おいしい料理をつくるためには、技術を磨かなくちゃ」と、一生懸命、みじん切りや、賽の目切りの練習をしているのが現実です。知識やスキルをいくら仕入れても、なかなか成果にむすびつかないのは、的外れな練習をしているからなのです。

もちろん、固有の技術や知識が大切なのは、いうまでもありません。しかし、多くの場合、経営資源(技術・知識・人材)はすでにあるのです。必要なのはそれを活かす「プロセス」です。

すべてのビジネスは、あらゆる経営資源を成果(売上・収益・成長)にかえるためのプロセスの連鎖です。これは組織、個人にかかわらず同じことです。成果を生むには、成果を生むようにプロセスをデザイン(設計)すればいいのです。

プロセスが変われば、結果が変わります。




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