30歳までに勉強するということ
&新社会人に薦める5冊

朝晩は冷えますが、日中はすっかり春めいてきました。
春から新社会人になる方は、期待よりも不安の大きい時期かも知れません。厚生労働省の調べによると、今年度の学校卒業者における就職希望者数、内定者数は、

就職希望者数 内定者数
高校・中学 166000 143000
大学 406000 327000
短大 52000 35000
高専 6400 6300
専修学校 193000 150000
合計 823400 661300

となっています。
内定している、していないに関わらず、ざっと80万人以上が、春から社会に出るわけです。

人生のなかで最も大きなパラダイムシフトを求められるのが、学生から社会人になるときだと言われています。私もそうでした。学校で学んだことは、まったく役に立たないと感じる人も多いはずです。しかし、そうではありません。はじめは役に立たないように感じるかもしれませんが、学生時代の蓄積はあとになって、ジワジワ効いてきます。それがわかるのは、多くは30歳になってからです。

ですから、学生時代にあまり勉強してこなかったなという人は、30歳になるまでに、できるだけ取り戻しておくことです。社会に出てからする勉強は、学生時代とちがって「現場感覚」があるので、学習効率が良いのです。仕事をしながら勉強すれば、学生時代よりも、はるかに身につきます。

学生時代に勉強してきたという実感がある人も、油断できません。学生時代に学んでいなくても、社会に出てから勉強する人はいます。学生時代よりもはるかに効率よく学ぶことができるのですから、学生時代に勉強していたとしても、社会に出てから勉強しなければ、あっという間に追い抜かれてしまいます。

もっとも強いのは、学生時代に勉強していて、社会に出てからも勉強し続ける人です。この人たちにはなかなか勝てません。学生時代の積み重ねのうえに、さらに社会人になってから加速的に蓄積するのですから、抜きん出るのは当然です。

というわけで、社会人になる人で、勉強しなくていいという人はいません。学生時代がどうであっても、社会に出てからは一層の勉強が求められます。学生時代と違うのは、「勉強しろ」と言ってくれる人がいないということです。上司もそんなに教えてくれませんし、勉強している人は「勉強している」とも言いません。いつの間にか差がついてしまいます。

30歳を越えると、「あー、もっと勉強しときゃよかった」という嘆きが、よく聞こえるようになるはずです。私自身も「もっと勉強できたはずだ」という思いがあります。

何歳からでも勉強はできます。しかし、30歳までの数年間は他の期間とは違います。頭の動きが活発で、新しいことに驚くことができる新鮮な感性を持ち、体力もあり無理もきく、黄金の時期です。

ぜひこの期間に、無理をしてでも、勉強してほしいと思います。
新たに社会人となる方におすすめする本を紹介しておきます。


『経営者の条件』(P・F・ドラッカー/ダイアモンド社)
ドラッカー名著集1 経営者の条件

一時、『もしドラ』がブレイクしましたが、ドラッカーを読むときは、解説本ではなく、ドラッカー本人の著作に触れるのがいちばんです。ドラッカーの著作のなかで唯一、自己実現に焦点が当てられた本が、この『経営者の条件』です。ドラッカーの本は難解なイメージがありますが、この本の「まえがき」を読めば、しびれる人も多いはずです。ドラッカーを読んだかどうかで、仕事人としての人生は変わる。それぐらいの必読書です。


『人を動かす』(デール・カーネギー/創元社)
人を動かす 新装版
私は、若い人に「どんな勉強をすればいいですか?」と聞かれたときには、「30歳までに人間の勉強をした方がいいよ」という話をします。ビジネスは人間関係で成り立っています。いくら知識やスキルがあっても、人間関係を構築できない人は成果を生み出すことはできません。そして、人間についての理解がなければ、人間関係をつくることはできないのです。そのためには「30歳までに、できるだけ人間に揉まれること」が大切です。30歳を越えれば、誰も言ってくれなくなるからです。30歳を越えて、人間を理解していなければ、そのあと人間の勉強はできないのです。人間を勉強をするときにおすすめな一冊が、この『人を動かす』です。私も年に一度は、反省のために読み返します。


『ワンランク上の問題解決の技術』(横田尚哉/ディスカヴァー・トゥエンティワン)
ワンランク上の問題解決の技術《実践編》 視点を変える「ファンクショナル・アプローチ」のすすめ

2010年、『情熱大陸』に出演し、大反響を呼んだ横田尚哉氏の一冊目の本です。ファンクショナルアプローチという、「カタチにとらわれずに本質に働きかける思考」について、丁寧に書かれています。新社会人の方にとっては、むずかしいというよりも、ピンとこないかもしれません。しかし、社会に出れば、そこかしこに「ムダ」があふれていることがわかるはずです。一度読んで、ピンとこなくても、1年後、2年後に読みかえせば「なるほど!」と目から鱗が落ちるはずです。ぜひ、繰り返し読むことをおすすめします。


『やりたいことはあるのに実現できないあなたがやれる人に変わる方法』(芝本秀徳/中経出版)
やりたいことはあるのに実現できないあなたがやれる人に変わる方法

社会に出れば、「やりたいことがなかなかやれない」というジレンマに陥ることも多くなります。希望に燃えて、理想をもち、エネルギーにあふれる新社会人の方ならなおさらです。この本には「やりたいことを実現するには『プロセスを設計すること』が必要だ」ということ、さらに「やりたいことを実現するプロセスのモデル」を紹介しています。アイデアを練り上げ、人を巻き込み、計画を立て、実現にこぎつける、そのプロセスをどのように進めればよいのかを解説しています。このプロセスを知ると知らないでは、大きな差がつきます。ぜひ、読んでみてください。


『頭の回転数を上げる45の方法』(久保憂希也・芝本秀徳/ディスカヴァー・トゥウェンティワン)
頭の回転数を上げる45の方法

税務会計のプロフェッショナル、久保さんとの共著です。いくらスキルを磨いたり、知識を蓄えても、それを上手く運用することができなければ役に立ちません。成果を生み出す人は、この「知的運用能力」に長けています。この「知的運用能力」を、私たちは「素アタマ」と呼びました。「素アタマ」を良くするにはどうすればいいのか、仕事で成果を生み出す能力はどのようにして鍛えればいいのかを、数々のビジネスの現場をくぐり抜けてきた二人が対話を通じて、書き上げた一冊です。新社会人の方には、とくに参考になると思います。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA