遊びではなく、仕事でつながる

学生時代、ファーストフード店でアルバイトをしていました。高校生のころから大学2年まで、途中受験で休んでいましたが、5年間続けました。

いまはどうかわかりませんが、このころのファーストフード店は、時給が安いにも関わらず、とても厳しいものでした。アルバイトという感覚が許されず、プロ意識が求められました。いま考えても、びっくりするぐらい先輩たちが仕事ができたのを覚えています。この5年間のなかで得たものは、計り知れません。

そこで学んだことの一つが、「遊びで仲よくなっても、成果は出ない」ということです。

ファーストフード店で働いた5年間のうち、最後の1年間は、サブマネジャー(準社員)として仕事をしていました。4年間働いた直営店から、慕っていた店長がはじめたライセンシー店に呼ばれて異動したのです。ライセンシー店とは、直営店とフランチャイズのあいだのような仕組みで、店長が会社を退職して、社員という立場ではなく、経営者としてお店の運営にあたる新しい形のお店でした。

ライセンシー店になるまでは、直営店だったお店なので、古くからいるアルバイトがいます。そこにいきなり、店長、マネジャー、サブマネジャーが乗り込んでいくわけです。そして、この古くからいるアルバイトと、それまでいた社員の店長、マネジャーが、めちゃくちゃ仲がよかったのです。お店を閉めたら毎日のように飲みに行く、カラオケにいく、ボーリングにいく、休みの日にはみんなで遊びにいくと、社員、アルバイト関係なく、とてもつながりが強かったのです。

そこに、それまでいた社員と入れ替わる形で、私たちがいきなり乗り込んだものですから、風当たりはすさまじいものがありました。シフトはドタキャンする、勤務態度はふてくされている、クリーンキャップもちゃんとかぶらない、注意しても言うことをきかない、オペレーションのレベルも非常に低いものでした。

結局、一人辞め、二人辞め、二十人程いたアルバイトで、残ったのは二人だけでした。とても採用が追いつきません。シフトが埋まらないので、マネジャーと二人で土日を朝から晩まで、休憩なしで通したこともありました。食事をするヒマもなく、お客さんから見えないように、厨房のグリルの後ろでしゃがんで、二人でハンバーガーを食べるのです。食事時間、わずか1分です。一か月で13キロ痩せました。

あとで聞いた話ですが、このお店はライセンシー店になる前の棚卸では、毎月、大量のロスが発生していました。原価の高いチキンなどが、数ケース単位で合わなかったりしたのです。内部で食べるか、持って帰ってなかったら、起こりえない数字です。

なぜ、このようなことが起こるのか。

そのとき店長に教えてもらったのは、「あいつらは遊びでつながっとるからや。仕事でつながってないから、関係がなぁなぁになる。遊びでつながっとるやつらは弱い。あくまでも仕事でつながらなあかん」ということでした。

仲がいいというのはよいことです。しかし、「何を通じて」仲がよいのかが大切なのです。いくら仲がよくても、遊びを通じて仲がいいのか、それとも仕事を通じて仲がいいのかで、天と地ほどの差があります。

職場のリーダーは、「仲よくなろう」として、飲みにいったり、プライベートでつきあったりして、「なぁなぁ」になってしまうパターンに陥ってしまうことがあります。職場の仲間は、あくまでの「仕事を通じて」つながっていなくてはなりません。プライベートでいくら仲がよくても、それは「おまけ」程度のことでしかありません。ベースは仕事でなければならないのです。

勉強会のようなものも同じです。「勉強を通じて」「研究を通じて」仲よくなるのはいいのです。しかし、「仲間とつながりたい」「友だちを増やしたい」というのは副次的なものです。

懇親を深めることがわるいわけではありません。どこにベースを置くかが大切だということです。

つながりそのものは、求めて得られるものではないのです。仕事も、勉強も、研究も、あくまで「成果を求める」ものです。そして、成果を求めて、目標とプロセスを共有するからこそ、強いつながりになります。つながりは結果なのです。

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