ニュートラルであること

以前、「初二段は素人」だという話を書きました。

武道においては、初段や二段クラスまでは「弱くなる」プロセスであるということです。なぜ弱くなるかというと、それは「こういうときは、こうくるはず」という思い込みにとらわれるからでした。

では、そこから抜け出すにはどうすればいいかという話です。

武道では相手の動きを「予測する」ことは、とても危険です。それは思い込みにつながるからです。相手が予測とは違った動きをすれば、まったく通用しなくなります。相手のあることにセオリーは通用しないのです。

どんな状況であっても、的確に対応するためには「ニュートラル」でいることが大事です。つまり、心を偏らせず、自然体でいることが、もっとも状況に対応しやすいのです。だから、武道では「自然体」を重視するのです。

しかし、初二段のうちは、それが怖くてできません。怖いから、相手がどう出るだろうかと予測して、「こうきたら、こう返そう」と考えるのです。これは予想しないと対応できる自信がないからです。しかし、頭で考える分、後手に回ってしまいます。

仕事においても、予見を持つことは「思い込み」につながります。ビジネスにおいて、同じ状況が繰り返し起こることはありません。似たような状況であっても、一つひとつ違うものです。「前にも同じようなことがあった」ということは、参考にはなるかもしれませんが、「だから、こうすればいいに違いない」と決めつけてしまうのは、とても危険なのです。

たとえば、「前にも同じようなクレームがあった」と考えれば、同じような「処理」をしてしまうでしょう。しかし、目の前にいるお客様は、前のお客様とはちがう人です。お客さまにとっては、他の人がどうであったかは、何の関係もないことです。目の前のお客さまを一人の人間として「対応」しなければ、お客様に納得していただくことはできません。

ニュートラルであること。

それが、初二段から抜け出す道です。

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